会長あいさつ






公益社団法人 日本柔道整復師会
会  長  松 岡   保

 この度、第19代会長に就任いたしました。日本柔道整復師会会長という立場は全柔道整復師のトップに立つという意味でもあると考えており、まさにその重責に身の引き締まる思いであります。つきましては、身命を賭して柔整業界がおかれている難局に立ち向かい、業界発展のために尽力して参りたいと決意を新たにしているところでございます。会員の皆様にはさらに叱咤激励をいただき、光り輝く未来を目指してこの業界をリードして参る決意でございますので、引続きご指導の程よろしくお願い申し上げます。

新体制の船出に五つの指針

【改革の志】

 喫緊の課題として多くの機構改革、業界改革が必要です。
 平成23年度以降取り扱い療養費は減少の一途を辿っております。この10年間で1000億円程度減少しているのではないかと予測しております。この減少傾向に歯止めをかけ、上昇基調に持っていかなければなりません。そのために今日まで、コアな問題の外堀を埋めるように様々な改革を行って参りました。工藤前会長が実現させた「公的審査会の権限強化」、「実務研修3年義務化」と「施術管理者制度の確立」、カリキュラム改正の「教育改革」はその効果を見せ始め、柔道整復師の質の向上に繋がっています。この流れを踏襲し、いよいよ本丸に迫っていかなければならない時が到来しており、そのために今年度立ち上げました【日整イノベーション本部】を中心に改革改善を図って参ります。イノベーション本部では、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用し、各都道府県にデジタル化を行き渡らせ、業界の発展とサスティナブルな成長を繋げる施策の実行を最終的な目標として掲げています。そのために、先ず茨城県、東京都、京都府、福岡県の4都府県のデータを一元化するテストをモデルケースとして行っており、第1ステップとして、統一された規格の基にシステムの構築、ソフトの開発などを策定する上での問題点や課題を抽出していくことを実施するものであります。これにより、業界の機構システムが抜本的に改善されるものと考えており、将来的な療養費の電子請求化に向けて動き出しているところです。今後も様々な困難な場面が待ち受けていると思いますが、日整一丸となって目標達成のため邁進していきます。

【コロナを克服して前進】

 2年あまりにわたって続いているコロナ禍の中、会員の皆様には大変なご苦労をされていることだと思います。療養費の取り扱いが大きく減少している中、さらに来院患者数が減少し、休院や廃業を余儀なくされる先生方も多いことも把握しております。まさに死活問題となっています。感染対策を講じながら患者の理解を得ていることと思いますが、それでも日々の施術の手を休めるわけには参りません。我々の施術を求めて来院する患者の期待に応えられるように鋭意努力することが大切です。
 しかしながら、蔓延防止等重点措置も3月21日までに全ての都道府県で解除され、ようやく光が見え始めました。苦しい2年間であり、決してコロナ前の状態には戻ることはできないと思われますが、この2年間で学んだ様々なツールを活用し、新たな生活様式で日常を取り戻していこうではありませんか。

【私たちに必要なもの】

 私たちの基本である学術ですが、現在進行形としてオンライン形式での『匠の技 伝承』プロジェクトを強力に推進しています。すでに1年間の予定行事を終え、指導者の養成も順調に進んでおります。このプロジェクトは単なるイベントではなく、10年をかけた一大事業です。柔道整復師の本分である骨折、脱臼の整復、固定を誰でも、いつでも、どこでも、統一した技術と知識で患者様に提供することができるという、まさに柔道整復の原点回帰の生き残りをかけた事業です。このプロジェクトで講習を受けた指導者は各都道府県においてその技術を会員へ伝授し、より多くの会員の皆様が全国一律に平準化された技術を持ち、患者に施術することができます。
 加えて、超音波観察装置(エコー)の観察方法も講義に含まれており、私たちが持つことのできる観察手段を手に入れようと努力しているところです。ぜひ多くの皆様にエコーの学習と導入を図っていただきたいと切に願っています。
 さらにデジタルオンライン推進室ではオンライン資格確認について、また、「個人契約サポートセンター」では個人契約の柔道整復師の皆様への支援やこれから開業しようとする柔道整復師の皆様のサポートをしたいと考えており、業界情報、新規開業、保険請求等、心配や不安がある方々の相談窓口としてホームページ上にリンクを設けています。

【生活に直結する問題解決に向けて】

 一方、厚生労働省社会保障審議会医療保険部会の柔道整復療養費検討専門委員会では日整の委員を中心に議論が交わされており、今年に入ってからは、毎月専門委員会が開かれています。今テーマに上がっているのは、「明細書の義務化について」「患者ごとに償還払いに変更できる事例について」「療養費を施術管理者に確実に支払うための仕組みについて」です。3月24日にも第21回の専門委員会が開催され、これらの問題が解決に向けて前進するものと思います。
 さらに今年は料金改定の年でもあります。冒頭申し上げたように療養費の大幅な減少傾向をいかに食い止め、反転させていくかが大きな課題です。慣例的に医科の2分の1になっている改定率を何とか業界の発展に繋がるような改定率、金額を獲得しなければならないと考えています。

【業界発展のため力を一つに】

 こうした多くの問題、課題を抱えながらのスタートではありますが、業界発展のため新執行部一同粉骨砕身努力して参ります。会員各位には引き続き日本柔道整復師会の発展のためご支援、ご協力の程お願い申し上げまして、会長就任の決意表明とさせていただきます。

2022年3月13日

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